ロードスターパーティーレースとは「ロードスターNR-A」によって行われるワンメイクレースです。
ワンメイク……しかも、限りなく市販車に近いワンメイクなので、その敷居は低く、オリフィエルのようなレース初心者でも簡単に参加することが出来そうです。
ここでは、オリフィエルがパーティーレースに出場するまでを報告したいと思います。
ワンメイクレースなので、当然「ロードスターNR-A」を調達しなければなります。
オリフィエルはがんばって新車で購入しました。
くわしくは「ロードスター購入記」をどうぞ。_(._.)_
購入した「ロードスターNR-A」そのままではレースに出場することが出来ません。
出来るように装備を最初から装着してくれていればよかったのですが、レース以外の用途にも使えるようにか、後から取り付けなければならないのです。
パーティーレースに出場するために必要な装備は……
○ ロールバーセット
○ 前後牽引フック
○ 4点式以上の競技用シートベルト
となっています。
(詳しくは、パーティーレース事務局のHPを参照してください)
また、これらの装備に加えて
○ レース用タイヤ(BS製ラジアルタイヤ)+ホイール
はどうしても必要になります。一度レースで使用したタイヤでは公道を走行してはいけない、とレギュレーションで定められているのです。
(しかし、どうやってロードスターにタイヤ4本+必要な工具等を積み込めばよいのでしょう?)
さらにドライバーの装備として
○ ヘルメット
○ レーシンググローブ
○ レーシングスーツ
○ レーシングシューズ
○ アンダーウェア
が必要になります。
(詳しくは、パーティーレース事務局のHPを参照してください)
基本的にFIA規格もしくはJAF規格の適合した製品でそろえておけば問題ないでしょう。
オリフィエルはレーシンググローブとシューズはFIA規格のものを持っていますが、スーツとアンダーウェアは新しくそろえなければなりません。
またヘルメットはAraiのJAF規格品を持っているので、それを使用する事にします。
さらにさらに
○ JAF国内競技運転者許可証Aクラス以上のライセンス
が必要です。
……こうやってリストアップしてみると、意外に準備するものが多いということがわかります。
敷居が低いとは言っても、決して低いわけではないと感じてしまいます……
が、出ると決めた以上どうにかしてそろえていかなければなりません。
しかし、予算の関係上すべてを一度にそろえるなんて出来るわけがありません。
そこで……
1.ロールバーセットを取付。同時に4点式シートベルトも取付。
2.レーシングスーツを購入する。
3.ブレーキパッドとレース用タイヤセットを購入し、筑波2000で練習を開始する。
4.練習しながらライセンスを取得する。
5.早ければ2004年第3戦に参加! この直前に牽引フックを取り付ける。
というスケジュールで少しずつ進めていく事にします。
さてさて、上手くいくかどうか……^^;
ロールバーの取り付けは、もちろんマツダのディーラーに依頼しました。
幸いにも在庫があるようですぐにも部品は入荷するとのこと。
ただし、作業が長くかかることが予想されるということだったので、1ヶ月点検にあわせて1泊2日の予定で作業を行ってもらうことにしました。
クルマを預けた翌日、このようにきちんとロールバーは取り付けられていました。
ロールバーは……(T_T)
頭をぶつける可能性がある場所にはロールバーパッドが装着されています。
さて、この状態で走ってみると、意外にもあまりノーマル状態と乗り味が変わっていないことに驚きます。
そんなはずはないだろう、ともっと注意深く走ってみると、ステアリング操作や路面状況などに対して敏感になったかなぁ〜?という感じです。まぁ、よくも悪くもそうは変わらないらしい、と。
ではオープンにしてみるとどうでしょう?
こちらも意外と気にならないものです。ロールバーはオープン走行の爽快感が少なくなる、という話も聞きますがそんなことはなさそうです。今までと同じように気持ちいいです\(^o^)/
問題点があるとすれば、乗り降りが大変になってしまった、ということでしょうか……^^;
なにはともあれ、これで一歩前進です。
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ロールバー取付 |
85,000円 |
48,000円 |
ロールバープロテクター取り付け |
7,400円 |
18,000円 |
合 計 |
92,400円 |
66,000円 |
---|---|---|
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158,400円 |
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7,920円 |
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166,320円 |
ロードスターパーティーレースに出場するには、JAFもしくはFIA公認のレーシングギアをそろえる必要があります。
具体的には……
○ ヘルメット
○ レーシンググローブ
○ レーシングスーツ
○ レーシングシューズ
○ アンダーウェア
これだけそろえる必要があります。
○ ヘルメット
以前に購入したアライヘルメットのGP-2Kを使用します。
このヘルメットはJAFの公認を得ており、国内格式のレースに使用することが出来ます。
ロードスターパーティーレースは国内格式のレースなので、このヘルメットでOKです。
以前に使っていた2輪用安物^^;ヘルメットと比べて大きく感じるのですが、軽く、そして安心感を感じます。
ただし、メガネをかけにくくなってしまいましたが……^^;
○ レーシンググローブ
以前から使用していたものは、FET
SPORTSの比較的安価なものでした。
それはそれでフィット感がよく愛用していたのですが、残念ながらFIA、JAFともに公認が得られていないためパーティーレースで使用することが出来ないのです。
そこで今回用意したのが、アルパインスターのF1-RというD.クルサード選手やC.ダ・マッタ選手が使用しているFIA公認モデルです。
さすがFIA公認モデルだけあって、生地が厚く、しかし手の動きを妨げることがありません。使いやすそうです(^.^)
○ レーシングスーツ
これも新しく購入しました。
sparcoのSPRINT 5。色は気分一新のホワイトです。
ノーメックスという難燃繊維を2重にしたレーシングスーツで、もちろんFIA公認。
モコモコした感じで、ツナギっていうよりも全身半纏って感じです。しかも、かなり暑い!
真夏のレースはきつそうですね。
○ レーシングシューズ
これはいただきもののDIADORA
HI-CUTを使用します。
FIA公認モデルなので、問題なし!
○ アンダーウェア
ヘルメットやレーシングスーツ、シューズの下に着用する、下着?です。
フェイスマスク、長袖Tシャツ、ボトムス、靴下を使用します。
靴下以外はsparcoのものを新たにそろえました。
結構いたい出費になりましたが、一通りそろえることが出来ました。
不思議なもので、レーシングスーツを着ると速く走れそうな気がしてきてしまいますね。
レーシングギアに負けないよう、いい成績を残せるようにがんばらなければ……!
※ 文中のリンクの一部は、ラストラーダさんの商品説明にリンクしています。親切丁寧に対応してくれるお店ですので、いつもお世話になってしまっています。
パーティーレースに出場するためには、安全装備を整える必要があります。
1)ロールケージ.
JNR−A指定部品のロールケージを使用しなくてはならない。なお、
乗員保護のため頭部等に接触する恐れのあるロールケージの部
位は、緩衝材で覆わなくてはならない。.
また、安全性を高めるために斜行ストラット等を追加することは認め
られる。その際の取り付け方法は、国内競技車両規則第1篇第4
章第6条に従うこと。ただし、ソフトトップの開閉に支障をきたしては
ならない。また、同規則第6条、第4-16図(サスペンション取付)に
示された補強は認められない。.
品番:QNB1 53 660.
2)安全ベルト.
ワンタッチフルハーネスタイプで4点式以上の安全ベルトの装着が
義務付けられる。.
国内競技車両規則第4篇第2章第5条5.3「安全ベルト」および付
則「安全ベルトに関する指導要綱」に従うこと。.
なお、乗車定員分の純正シートベルトは取り外してはならない。
3)けん引用穴あきブラケット.
JNR−A指定部品のけん引用穴あきブラケットの装着が義務付け
られる。.
フロント 品番:QEP1 56 340A.
リア 品番:QEP1 56 280A.
以上は「ロードスター パーティーレース車輌規定」1.安全規定にて義務付けされている安全装備です。
この他に「ボンネットピン」「消化装置」「サーキットブレーカー」「オイルキャッチタンク」の取り付けが推奨されています。
さて、SS03にてロールバーを取り付けてありますので、今回は「安全ベルト」の取り付けです。
用意していたのはセリカでも使用していたSabeltのトップフォーミュラーB。
3インチ幅のFIA公認モデル。その気になればWRCでもF1でも使えるという安心のモデルです。
シートは純正シートでもレース出場は出来るのですが、どうも腰が痛くなってしまうということもあり^^; sparcoのREV2を使用しています。
肩ベルトはロールバーに取り付けたアイボルトで固定します。トップフォーミュラーBは4シーター用のベルトなのでかなり余ってしまいます。余った分はロールバーに巻きつけて邪魔にならないようにしておきます。
腰ベルト、左側はセンタートンネルに取り付けたアイボルトに固定します。アイボルト取付位置について紆余曲折がありましたが^^; ディーラーからパーティーレース事務局に問い合わせてもらい、場所を決めました。
右側は純正シートベルト取付ボルトをアイボルトに交換して取り付けています。
そうそう。純正シートベルトは取り外してはいけません。一般公道を走るときには必要ですからね。
SS05にも書いたとおり、パーティーレースに出場するためには、専用のけん引用穴あきブラケットを装備する必要があります。
穴あきブラケット……牽引フックですね。これはディーラーで簡単に手に入ります。また、他の装備と比べて比較的安価に購入することが出来ます。
が、問題は取り付けにあります。
こちらはリア側の牽引フック。
ご覧のように専用金具を使用して、純正フックに締め付けています。
これは簡単なんです。
こちらはフロント側。
純正牽引フックを取り外し、そのボルトとボルト穴を利用して取り付けます。
これが大変なんです(>_<)
まず普通に純正牽引フックを取り付けているボルトを外そうとしますが、外れません。
正面からでは奥まった場所にあるのでメガネレンチをかけにくいし、ボルトはめちゃくちゃがっちりと締められています。
では下から……と思いますが、今度はすんなりとは手がとどかず、やっぱり外すことが出来ません……
さて、困った。どうしよう……RCOJさんの掲示板で取り付け方法を問い合わせてみたところ、横着してはいけないということがわかりました。
右フロントタイヤを外してインナーカバーを外してボルトを緩めるか、ジャッキアップしてアンダートレイを外してボルトを緩めるかするしかないようです。
それなら……ということで、後述のタイヤ取り付けと一緒にオートバックスで作業をしてもらいました(^.^)
パーティーレースでは、ホイールとタイヤについて次のようにレギュレーションで定められています。
8)タイヤおよびホイール(抜粋)
下記の要件を満たさなければならない。.
@タイヤサイズ及びホイール幅は下記のみ許される。
195/50R15(5.5JJ、6JJ、6.5JJ、7JJ)
Aタイヤは公道走行が許される(株)ブリヂストン社製のタイヤのみ
が使用できるものとする。
Cホイールオフセットは自由。また、タイヤ・ホイールはいかなる場合も
他の部分と接触しないこと。
Eホイールはスチール製、またはJWLまたはVIAマークのあるアルミ
合金製とする。また、メーカーラインオフ時の諸元が変更されてい
ないマツダ・ロードスターNR−Aへの適合が、そのホイールメーカー
より認められていること。
つまり、195/50のブリヂストン製ラジアルタイヤに、5.5〜7JJで15インチのホイールの組み合わせのみOKで、オフセットは自由に設定できるが、はみ出さないこと、というわけです。
パーティーレースのレギュレーションはイコールコンディションを整えるために改造範囲を大きく制限しています。
その中で、ホイールは比較的自由度が高い部分と言えます。
どうせレースに出るのであれば、少しでも自分に有利になるパーツに変更したい。
と、いうわけで……
RAYSのVOLK
RACING TE37になりました。
サイズは15インチ、7JJ、オフセット+35。ぴったりフェンダーに収まるサイズです。
驚くのはその軽さ。見た目以上に軽くて驚きます。
走ってみると今度は走りの軽さにまた驚きです。バネ下重量の軽減と言いますが、ここまで効果があるとは……!
タイヤはBRIDGESTONE
POTENZA
RE-01です。
これはもう、パーティーレースのレギュレーション的に他の選択肢は考えられません(純正タイヤ、という選択肢もありますが)。
REGNOで走ってもウケ狙いとしか思えないですからねぇ〜^^;
パーティーレースでは、競技に参加するドライバーについて
4.参加資格
ドライバーは、JAF国内競技運転者許可証Aクラス以上の所持者であること。
と定められています。
JAF国内競技運転者許可証Aクラスとは通称「国内A級ライセンス」と呼ばれているレース等の正式な競技に参加する為に必要な資格です。
ライセンスは
国内B級:国内格式のスピード競技(ジムカーナ、サーキットトライアルなど)に参加出来る。
国内A級:上記に加えて、国内格式の全ての競技に参加出来る。
国際C級:上記に加えて、準国際格式のレース、国際格式のラリー、スピード競技に参加出来る。
国際B級:上記に加えて、国際格式の全ての競技に参加出来る。
国際A級:F3000国際選手権やCARTチャンピオンシップシリーズ等に参加出来る。
と大雑把に5つのクラスに分けることが出来ます(ただし、審判員は別。競技運転者=ドライバーの場合)。また、このほかにF1に乗る為のスーパーライセンスというものもあります。
ロードスターパーティーレースは国内格式のレースなので、レギュレーションの通り国内A級ライセンスが必要になります。
そしてA級ライセンスを取得する為に、B級ライセンスが必要になるのです。
ではB級ライセンスを所得するためにはどうすればよいのでしょうか?
これが意外と簡単で、JAFのホームページにも記載がありますが、「B級ライセンス講習会」を受講するだけで取得することができるのです。
オリフィエルの場合は、JNR-Aパーティーレース事務局が主催したB級ライセンス講習会に参加しました。
講義は教材に沿ってモータースポーツの沿革、ライセンス制度にについての説明、フラッグの説明などなど、これからモータースポーツを始めるにあたって必要な知識を教えてくれるものでした。
走行会などに参加していた人にとっては「何をいまさら」的な内容もありますが、ライセンスを取得して本格的にモータースポーツを始めるにあたって、きちんと基礎を確認しておきたいと思います。
講習会終了後、事務局の方に代理手続きの依頼を行って、その日は終了。
後日、仮ライセンスカードが送付されてきて、晴れて国内B級ライセンスの取得となりました。
続いて国内A級ライセンスの取得となるのですが、これはまた後ほど。
2004年3月26日。
いよいよ今年のパーティーレース開幕戦へのエントリー受付が開始されました。
JNR-Aパーティーレース事務局のこのページからエントリーを申し込むことができます。
手元に車検証とライセンス、そして車両の改造箇所がわかるメモ等があれば簡単に申し込み処理を行え、エントリーフィーは後日振込みとなります。
ここで注意しなければいけないのが、保険の取り扱い。
パーティーレースに参加するドライバーは900万円以上の、ピットクルーは400万円以上の「有効な」生命保険に加入している必要があるのです。
「有効な」というところがポイントで、レース中の事故などでも補償してくれる保険でなければならないのです。
レースにエントリーするときに同時に申し込みもできますが、掛け金がちょっと高いので考えてしまいます^^;
幸いにもオリフィエルは筑波サーキットのファミリー走行限定ライセンスを持っていました。
筑波サーキットの走行ライセンスを取得するためには、筑波モータースポーツ共済会に加入しなければならないのですが、この筑波モータースポーツ共済会が保険の役割を果たしてくれるのです!
残念ながら、ピットクルーである弟には有効な保険がありませんでしたので、ピットクルー用の保険に加入することになりました。
もうひとつ、重要なことがあります。
インターネットからの申込書の場合、誓約書などに押印することができません。
そのため、レース当日に印鑑を持っていく必要があるのです。
これを忘れてしまうと、せっかくのレース当日に走れなくなってしまう可能性があります。
印鑑は絶対に忘れないようにしましょう!!
B級ライセンスと違い、A級ライセンスを取得するためにはJAF公認の競技会に参加し、タイムを記録して出場記録を記入してもらう必要があります。
A級ライセンスの講習会は、JAF公認の競技会に参加したことがない人のために、競技会とセットになっていることも多くあります。(中には、B級ライセンスから一気に泊り込みで取得するコースもあるそうです)
オリフィエルの場合、午前中にJAF公認のサーキットトライアルに参加し、午後から講習会となりました。
B級と違い、A級ライセンスを取得するためには、講習会の最後に行われる筆記試験、及び実技走行に合格する必要があります。
ちょっと敷居が高そうですが、それがそうでもありません。
まず講習会では、筆記試験に出る“かもしれない”を中心に親切に教えてくれますし、筆記試験に教材を持ち込むのが許可されていますので、付箋などでポイントを押さえ、問題文をよく読んで回答すれば問題はないでしょう。
そして実技走行。こちらも「筑波サーキットを○○分○○秒以内で周回せよっ」というものではなく、各フラッグポストで出される旗に従った走行を行っているかを見るのみですので、ゆっくり走ることが出来ます。あまりゆっくり走ってしまうのももったいないので、そこそこのペースで走りますが^^;
で、無事に筆記試験と実技走行をパスしたら、ライセンス発行の申し込みを行い、数日で仮ライセンスが到着。
これで国内A級ライセンスを取得。国内格式のレースに出場することが出来るようになりました!!\(^o^)/
ちなみに、正式なライセンスが届くまで1ヶ月ほどかかりますので、パーティーレースへは仮ライセンスで出場することになります。
これにて、ロードスターパーティーレースに出場するための準備は終了。
いや、前日までに車両とドライバーのコンディションを整え、サポート体制を作り(とは言っても、手伝いの依頼とか工具の準備とかですが^^;)、レースに出られるようにしなければならないのですが……それもまた結構楽しいものです。
レース当日の受付はめちゃくちゃ早い時間に(午前5時過ぎ)行われるので、前日は早く休む必要があります。
寝る前に「参加受付証」などの必要書類、ライセンス、免許証などなどを準備しておくのを忘れないようにしましょう。おっと、印鑑を忘れてはいけません!
さてさて、すべての準備が終わったら、明日のレースシュミレーションをしながら眠ることにしましょう。
レースの一日を、思いっきり楽しむために……